中国EV最大手BYDが展開する高級ブランド「ヤンワン(仰望)」は、SUV「U8」やスーパーカー「U9」など、圧倒的なスペックと価格で話題を集めている。ネットでは「やばい」「買ってはいけない」「逆にすごすぎる」など賛否両論が飛び交うが、果たしてその実態はどうなのか。ここでは技術・安全性・価格・信頼性・評判・誤解・将来性までを徹底的に掘り下げる。
ヤンワンとは何か?BYDの新ブランドの正体
1. ヤンワン(仰望)とは
BYDが2023年に立ち上げたプレミアムEVブランド。U8はオフロードSUV、U9はハイパーカー。価格はU8で約2,000万円、U9は約3,000万円超。中国国内では「国産でここまでやるか」と驚かれ、海外では「EVの限界を超えた」と称賛されている。
2. 技術の“やばさ”|e⁴プラットフォーム
- 4モーター独立制御で「タンクターン」が可能
- 水没走行・片輪走行・自動姿勢制御など、軍用車並みの制御技術
- U9は0-100km/h加速2秒台、U8でも4秒台
e⁴プラットフォームは、各輪に独立したモーターを搭載し、100Hz以上の周波数でトルクを制御。これにより、雪道や砂地でも安定した走行が可能となり、従来のEVとは一線を画す走破性能を実現している。
3. デザインと内装
U8はランドローバー風の重厚な外観に、巨大なディスプレイと高級素材を組み合わせた内装。U9は流線型のスーパーカースタイルで、内装はレーシングカーとラグジュアリーの融合。カーボンファイバー、アルカンターラ、ナッパレザーなどを惜しみなく使用している。

「やばい」と言われる理由とその真相
4. ネットでの“やばい”評判の実態
- 「価格がやばい」:中国車で2,000万円超は異例
- 「性能がやばい」:タンクターンや水上走行など常識外
- 「信頼性がやばい」:中国製EVへの不安
SNSでは「U8は戦車か?」「U9はフェラーリ超えた?」などの声が飛び交い、驚きと懐疑が混在している。特に価格面では「BYDでこの値段は出せない」という声もあるが、技術力を知ると納得する層も増えている。
5. 品質・安全性への誤解
BYDは欧州の安全基準をクリア済み。バッテリーはLFP(リン酸鉄リチウム)で発火リスクが低く、衝突安全性も高評価。テスラにも電池供給している技術力を持ち、品質管理もISO/TS16949に準拠している。
6. 「やばい」は褒め言葉?
一部では「やばい=すごすぎる」の意味で使われており、U8の走破性能やU9の加速力は“EVの限界突破”として称賛されている。特にU9は、2025年8月にEV世界最速記録を更新し、時速472.41km/h(≒475km/h)を達成した 。
U9が記録した“時速475キロ”の衝撃
7. 世界最速EVの誕生
2025年8月、ドイツ・パペンブルク試験場にて、U9 Track Editionが時速472.41km/hを記録。これはEVとして世界最速であり、ガソリン車のブガッティ・シロン(490km/h)に迫る数値 。
8. 技術の裏側
- 30,000rpm高性能モーター×4基=総出力3,000PS
- 量産型初の1200V超高電圧プラットフォーム
- DiSus-Xインテリジェント車体制御で安定性確保
- セミスリックタイヤ(Giti Tire共同開発)でグリップ強化
この記録は、単なるスピード競争ではなく「サステナブル・スーパーカー」という新たな価値観を提示するもの。環境性能と走行性能の両立を実現した点が、世界中の技術者から注目されている 。
日本市場での評価と課題
9. なぜ「買わない方がいい」と言われるのか
- ブランド認知度が低い
- アフターサービス体制が不透明
- 価格に対する信頼感が追いついていない
日本ではBYD=「安価なEV」というイメージが強く、ヤンワンのような高級モデルはまだ受け入れられにくい。特に2,000万円超のU8は、レクサスLXやランドクルーザーと比較されがちだが、技術的には別次元の存在。
10. 実際のオーナーの声
中国国内では「U8はレクサスLXより静か」「U9はフェラーリより速い」との声も。一方で「修理対応が遅い」「部品供給が不安定」といった課題も報告されている。特に地方都市ではサービス拠点の不足が課題。
11. 日本での展開状況
2025年現在、BYDは日本でATTO3・DOLPHIN・SEALを展開中。ヤンワンは未導入だが、富裕層向けに限定販売の可能性あり。EVの高級化が進む中で、ヤンワンの導入は時間の問題とも言われている。
将来性とグローバル展開
12. 世界市場での動き
U8は中東・欧州で販売開始。U9はドバイの富裕層向けに先行投入。BYDは2025年に世界EV販売台数1位を達成し、ヤンワンはその象徴的ブランド。今後は北米市場への本格参入も計画されている。
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