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BMW iX4はどちらも充電21分。40と50を通勤・旅行・電池保証で比べる

BMW iX4の40と50は、電池の大きさが違うのに10〜80%の公称最短充電時間はどちらも21分だ。50の方が充電量は多いが、毎日の通勤までその大容量が必要になるとは限らない。自宅で使った分を戻し、ときどき家族で遠出するなら、どこで40と50の差を感じるだろうか。英国の価格と充電仕様に、帰宅後と旅行中の使い方を重ねて考える。

出典:BMWグローバル・iX4発表(2026年10月8日)、BMW英国・iX4技術データ。確認日:2026年10月18日。

低く流れるルーフを側面から捉えたBMW iX4 50 xDriveの公式画像
BMWが公開したiX4 50 xDrive。側面から見ると後方へ流れるルーフの形が分かる。掲載画像はグローバル配布素材で、英国仕様表と写真の装備を同一とは扱っていない。BMW AG 出典:BMW PressClub

大きな電池でも、毎晩空から充電する必要はない

仮に片道25km、往復50kmの通勤をして、充電ロスを含む電源側の消費を20kWh/100kmと置く。1日分は10kWhだ。電源側で平均3kWを供給できる条件なら3時間20分、平均6kWなら1時間40分の計算になる。これはiX4の実測電費や家庭での充電試験ではなく、使う量と補充時間の関係を示す例だ。翌朝までの駐車中にその量を戻せれば、毎回82.6/108.7kWhを一から充電する必要はない。

英国の現行技術表は、40/50ともAC最大11kW、選択装備で22kWを示す。0→100%の条件付き最短時間は40が11kWで8時間15分、50が11時間。22kW仕様ではそれぞれ4時間15分、5時間30分だ。この長い区間の時間を、通勤後に毎晩必要な時間とは考えなくてよい。22kWを選んでも、家庭や宿の設備側がその電力を出せなければ使えない。英国のAC条件を日本仕様の接続能力として保証する値でもない。英国のAC充電表・脚注6と7

一方、よく寄る急速器が最大150kWなら、車側が400kWの50でも、設備が供給できる電力が上限になる。その場で21分という公称値は前提にできず、40と50の実際の充電曲線が同じになるとも限らない。150kW器での実時間は今回の参照資料にない。大容量は停車前に走れる距離へ効くが、低出力の器を高出力に変える装備ではない。

普段の80%と、電池保証の70%は別の数字

iX4の英国製品ページは、日常の充電目標を80%にすることを電池の健康と寿命のために推奨している。一方、掲載されるWLTP航続は100%充電時の値だ。長旅に向けて必要な量を用意する日と、短い通勤を繰り返す日の設定を分けられる。iX4固有の80%推奨と航続注記

英国の現行EV保証は、高電圧電池を初度登録から8年または10万マイルの先に達する方まで対象とする。2026年8月版の保証書は、正規修理店の測定で新品時容量の70%を下回り条件を満たす場合、部品修復または電池交換により70%以上を確保すると説明する。再生部品も含まれ、新品時の100%へ必ず戻す内容ではない。故障と容量低下の対応、指定整備や使用条件は保証書に従う。英国の保証案内、現行保証書・印刷4〜5ページ

80%はその日の充電上限、保証の70%は新品時と比べた容量の基準だ。8年で必ず70%になるという寿命予測でもない。中古で長く乗る場合も、年式だけでなく初度登録日、走行距離、整備記録と正規店の電池診断を一緒に見ることになる。iX4の納車時には、契約に付く最新版の条件が基準となる。

同じ21分でも、50が補うエネルギーは約3割多い

40と50では、充電するバッテリーの大きさが違う。メーカー公称の使用可能容量は40が82.6 kWh、50が108.7 kWh。残量表示の10%から80%までを、単純に使用可能容量の70%に相当するエネルギーを補う区間と仮定してみる。

英国M Sport仕様 40 xDrive 50 xDrive
使用可能バッテリー容量・公称 82.6 kWh 108.7 kWh
最大DC充電出力・公称 300 kW 400 kW
10〜80%の最短時間・公称 21分 21分
容量の70%・単純計算 57.82 kWh 76.09 kWh
上のエネルギー量÷21分・計算値 約165 kW相当 約217 kW相当

出典:BMW英国・iX4技術データ「Battery / charging」と脚注6。計算式は使用可能容量×0.7÷(21÷60)。充電損失・補機の消費を無視した説明用の編集計算で、充電器からの平均入力やメーカーの充電曲線を実測した値ではない。公称充電時間は外気温23℃で先に走行した条件に基づき、残量・温度・設備の供給電力などで変わる。

この仮定では、50が補うエネルギーは40より18.27 kWh、約32%多い。同じ21分の中身が違うのだ。最大400 kWを受け入れられることは、最大300 kWの40より残量表示の10%から80%までを短時間で終える、という意味ではない。大きなバッテリーに、同程度の時間でより多くのエネルギーを戻すためにも使われる。

たとえば片道250kmの旅行で、宿泊先に使える普通充電器があれば、翌日はそこで補充して帰れる。両仕様とも、旅先で長く停める時間を利用する点は同じだ。宿で充電できず、移動中の補給だけに頼る旅行では、50の大きい電池が立ち寄りの場所を減らせるかが気になってくる。ただし21分は最適条件の値で、宿の電源や途中の設備が変われば、そのままの時刻表にはならない。

£5,905の差は、最短充電時間より航続の余裕に表れる

英国では発表時点で40と50が受注対象となり、初回の顧客納車は2027年3月6日からを予定する。M60 xDriveは2027年春に続く予定だ。受注開始と、車が届く時期を分けて考えたい。

英国向けモデル 英国開始価格・OTR 最大WLTP航続距離
iX4 40 xDrive M Sport £60,170から 396マイル・約637 km
iX4 50 xDrive M Sport £66,075から 514マイル・約827 km
iX4 M60 xDrive 発表資料では未公表 483マイル・約777 km

出典:BMW英国・iX4モデル比較表と英国導入日程(2026年10月8日)。出力・充電・性能・電費・航続距離は同発表で暫定値とされる。kmは1マイル=1.609344 kmで換算し整数に丸めた概算で、元の英国WLTP値を別の試験モードや日本の認証値へ置き換えたものではない。価格は英国のOTR表記。参照発表にVAT率や税・登録費用の個別内訳はなく、日本価格や補助金適用後価格としては使えない。

開始価格の差は£5,905、最大WLTP航続の差は118マイル(約190km)。近距離を毎晩自宅で補う生活では、50へ上げてもその日に使う電気の量が電池容量に比例して増えるわけではない。普段の距離を40で十分補えるなら、追加予算を大容量へ回す必要性は低くなる。長距離を続けて走り、宿でも充電できない日が多い人には、50の容量が役立つ場面が増える。

ただし、50 xDrive M Sportの英国技術ページには、WLTP航続が421〜514マイル、換算約678〜827 kmの幅で載っている。同じグレード名でも、仕様を決めずに上限だけを自分の車の航続と考えるのは早い。さらに実走行では気温や経路、運転方法などでも変わる。冬の高速移動の計画には、自分が選ぶ装備の値と、使う条件を重ねる必要がある。

出典:BMW英国・iX4技術データ「Consumption/emissions」と脚注4・5。

M60も使用可能容量は108.7 kWhだが、公称の最大航続は50より31マイル短い。最上位を選べば最も遠くへ走れる、という並びではない。航続の余裕を目当てにするなら、M60を待つ前に50の内容を見ておきたい。

出典:BMW英国・iX4「Sixth-generation BMW eDrive technology」。

低いルーフの代償は、荷室を大きく使う日に見える

テールゲートを開けたBMW iX4の通常時の荷室と開口部の公式画像
通常時の荷室と開口部。容量のリットル数だけでなく、後方の高さや積み込む荷物との相性も見たい。BMW AG 出典:BMW PressClub

iX4の40/50 M Sportは、英国の公称寸法で全長4,782 mm、全幅1,895 mm、全高1,595 mm。iX3の英国発表値と全長・全幅は同じで、全高が40 mm低い。クーペのように後ろへ流れるルーフを選んでも、狭い駐車区画で車幅に余裕が生まれるわけではない。

出典:BMW英国・iX4技術データ「Dimensions/weights」、BMW英国・iX3「A new exterior design」(ページ記載の発表日:2025年9月5日)。

英国資料の荷室容量 iX4 iX3
通常時 490 L 520 L
後席を倒した最大時 1,600 L 1,750 L
ボンネット下収納 58 L 58 L

出典:BMW英国・iX4技術データ、BMW英国・iX3発表。英国資料同士のメーカー公称値による比較。

荷室の差は通常時30L、後席を倒す最大時150L。背の高いベビーカーや家具を運ぶなら、傾斜したリアガラス側に当たらずテールゲートを閉められるかが気になる部分だ。容量の差だけで特定の荷物が入るとは判断できない。

BMWは低いルーフの下でも後席の頭上空間を確保したと説明する。実際の着座・乗降は今回試していないため、iX3との室内の差を座り心地の評価へは広げていない。

出典:BMW英国・iX4「Interior design」。頭上空間についてはメーカーの説明で、着座による検証は行っていない。

横長の表示部と中央ディスプレイを備えたBMW iX4のコックピットの公式画像
iX4のコックピット。横長の表示部と中央画面の位置関係が分かるメーカー提供画像。BMW AG 出典:BMW PressClub

日本で待つなら「400 kW」より、自分の充電場所との組み合わせ

2026年10月18日に参照したiX4の英国・グローバル発表からは、日本向けの受注開始日、納車開始日、価格を確認できない。日本向けの案内が出たら、充電方式と受け入れ出力、普段使う設備との対応、車体寸法と駐車場の制限を先に確かめたい。

出典:BMW英国の導入日程、BMWグローバル発表。日本導入に関する確認範囲は今回参照した資料に限る。

同じ21分でも、50は多くの電気を補う仕様。その差に£5,905を払うかは、毎日の小さな補充と、旅の途中の大きな補充を分けると考えやすい。クーペ型の荷室で日用品や旅行かばんが収まるかと合わせ、毎日運ぶ物と、年に何度か走る長距離の両方から選べる。

充電設定・電池保証などの追記確認:2026年10月21日。車両価格・装備・公称値の基準日は各表と出典に記載した。