第3世代e-POWERと第2世代の違い|5-in-1・対応車・買い時を解説
冒頭画像:日産自動車提供、キックスGの雪道走行イメージ。画像出典
第3世代e-POWERは、国内ではキックスP16型とエルグランドE53型に搭載されています。キックスは2026年6月18日、エルグランドは同年7月16日に発売されました。第2世代からの主な進化は、発電に特化したエンジンと、主要5部品をまとめた5-in-1電動ユニットです。ただし、新しい世代を選ぶだけで、自分に合う車が決まるわけではありません。
2026年10月25日時点で、確認した日産の国内向け公式発表には、ノートとオーラの第3世代搭載時期は示されていません。小さな車が必要なら、現行の第2世代車と、5人乗りSUVのキックスを、車幅・必要装備・総額で比べてみましょう。多人数用のエルグランドまで車格を広げるのは、座席と荷室が必要な場合に考えれば十分です。e-POWER現行6車種の比較表では、車種ごとの価格と燃費を同じグレードで確認できます。

第2世代と第3世代の違い早見表
| 項目 | 第2世代e-POWER | 第3世代e-POWER |
|---|---|---|
| 基本原理 | エンジンは発電、タイヤはモーターで駆動 | 基本原理は同じ |
| 電動ユニット | 車種に合わせた第2世代構成 | 主要5部品を一体化した5-in-1 |
| エンジン | 発電用途に制御 | 発電に特化した専用設計 |
| 公式が示す効果 | モーター駆動の応答と静粛性 | 燃費と静粛性を大幅に向上 |
| 国内搭載状況 | ノート、オーラ、セレナ等の現行・既存車 | キックスP16(2026年6月18日発売)、エルグランドE53(同年7月16日発売) |
| 注意 | 車種・年式で仕様が異なる | 未発表車の時期・数値を推測で断定しない |
どちらも外部から充電した電力だけで走るBEVではありません。発電用エンジンを搭載し、ガソリンを給油します。第3世代で「エンジンが直接タイヤを駆動する方式へ変わる」と読むのは誤りです。日産の公式技術ページは、エンジンを発電専用とし、大出力モーターのみで駆動するe-POWERの特徴を明記しています。
5-in-1を確認する
5-in-1は、モーター、インバーター、発電機、減速機、増速機の五つを一体化した電動ユニットです。部品を一体化するだけでなく、平角線コイルで電流量を増やし、インバーターには新世代パワーモジュールと両面冷却構造を採用することで、損失を抑えながら高出力・高効率化を図ると日産は説明しています。特に高速域の効率向上が技術ページで示されています。
| 構成部品 | 役割 | 一体化を見るときのポイント |
|---|---|---|
| モーター | タイヤを駆動 | 平角線コイル、高出力化、高効率化 |
| インバーター | 電力をモーター用に制御 | 新世代パワーモジュール、両面冷却 |
| 発電機 | エンジンの力で発電 | ユニット内での統合 |
| 減速機 | 駆動に適した回転へ変換 | 一体化による効率と搭載性 |
| 増速機 | 発電側の回転を調整 | 発電系の統合 |
一体化は、部品単体の交換が簡単になるという意味ではありません。整備方法、保証、修理単位、部品価格は、購入する車の資料と販売店説明で確認します。技術発表だけから修理費が安くなる、故障しなくなると断定することはできません。

発電特化型エンジンの意味
一般的なエンジン車では、低速から高速、加速、登坂など広い運転領域でタイヤへ力を伝える必要があります。e-POWERはエンジンが発電に専念できるため、効率のよい運転領域を使いやすい特徴があります。第3世代では、この特徴をさらに進めた発電特化型エンジンを組み合わせます。
第3世代は全車が同じエンジンではありません。日産の2026年9月更新の技術ページでは、小型のHR14DDeと、大型のターボ付きZR15DDTeを区別しています。国内主要諸元ではキックスがHR14DDe・1.433L、エルグランドがZR15DDTe・1.498Lです。同じ「第3世代」でも、車体の大きさや必要な出力が異なるため、完成車の燃費を直接比べて技術の優劣とは言えません。なお、エンジン型式だけで世代も決められません。現行セレナもHR14DDeを使いますが、e-POWERの世代は第2世代です。
技術ページの燃費・静粛性の第2世代比較は、キャシュカイを対象とした説明です。その改善率を国内キックスやエルグランドへ一律に当てはめることはできません。またSiCパワー半導体の採用は「一部車種」と説明されています。車種ごとの装備と認証燃費を確認してください。
対応車と発表状況
| 車種・地域 | 2026年10月25日時点で確認できる範囲 | 購入判断 |
|---|---|---|
| 国内キックスP16 | 2026年6月18日発売。第3世代e-POWERを国内初搭載 | 旧P15型と区別し、駆動方式・タイヤ・必要装備をそろえて比較 |
| 欧州キャシュカイ | 第3世代e-POWER導入の公式情報あり | 海外仕様を国内仕様と混同しない |
| 国内新型エルグランド | 2026年7月16日発売、第3世代搭載。価格689万7,000円、WLTC16.8km/L | 発売済みの公式価格・燃費・グレードと販売店見積りを確認 |
| 国内ノート | 現時点の現行情報は第2世代 | 次期搭載時期を断定しない |
| 国内オーラ | 現時点の現行情報は第2世代 | 必要時期と現行車の満足度で判断 |
| 国内セレナ等 | 現行・既存の公式仕様を個別確認 | 未発表の世代変更を前提に契約しない |
「対応予定」という噂と、メーカーが車種名・時期を示した発表は分けます。販売店へ質問するときも、「第3世代はいつですか」だけでなく、「この見積り車のパワートレイン世代」「注文後の仕様変更」「契約解除条件」「納期が延びた場合」を確認します。口頭説明だけで重要な判断をせず、契約書や注文書へ条件を残してください。

エルグランドの乗り出し額と5年燃料費を試算
以下の車両価格は消費税込みです。乗り出し額の前提:メーカー希望小売価格に、登録・税・リサイクル等の諸費用を30万円、希望オプションを30万円として加えます。Xは689.7万円+30万円+30万円=749.7万円、Gは757.9万円+30万円+30万円=817.9万円です。値引き、金利、任意保険、駐車場、下取りは含みません。諸費用とオプションは販売店・選択内容で変わる仮定なので、実際は見積書の項目別金額へ置き換えてください。
| グレード | 車両価格 | 諸費用仮定 | 用品仮定 | 乗り出し例 |
|---|---|---|---|---|
| X | 689.7万円 | 30万円 | 30万円 | 749.7万円 |
| G | 757.9万円 | 30万円 | 30万円 | 817.9万円 |
燃料費の前提:年間10,000kmを5年、ガソリン単価を180円/Lと仮定し、公式WLTC16.8km/Lで計算すると、50,000km÷16.8km/L×180円=約53.6万円です。予算を確認する別の仮定として13.4km/Lを置くと約67.2万円です。13.4km/Lは実測燃費でも予測値でもありません。単価180円も比較のための仮定です。WLTC値は実燃費を保証しないため、納車後は給油量と走行距離で自分の数字へ更新してください。
| 5年・5万km | 燃費前提 | 使用燃料 | 燃料費 |
|---|---|---|---|
| 公式値で単純計算 | 16.8km/L | 約2,976L | 約53.6万円 |
| 保守的な仮定 | 13.4km/L | 約3,731L | 約67.2万円 |
このほか任意保険、車検・点検、タイヤ、駐車場、ローン金利が必要です。XとGの車両価格差68.2万円は燃費差ではなく、必要な装備と内装、運転支援の条件をそろえて判断します。セルフ見積りだけで終えず、家族が使う装備を選んだ総額で比較してください。
第3世代を選ぶ人、現行車を選ぶ人
第3世代を今検討するなら、まず5人乗りSUVのキックスと、7人乗りミニバンのエルグランドのどちらが用途に合うかを考えます。キックスX・2WDは325万9,300円、WLTC25.7km/L(標準条件)、エルグランドX e-4ORCEは689万7,000円、16.8km/Lです。世代が同じでも、価格も車幅も駆動方式も違います。通勤用の車と、後席を含めた多人数移動の車を、燃費の順位だけで選ぶ必要はありません。
現行ノートやオーラを選びやすいのは、コンパクトな車体、購入予算、取り回しを優先し、今すぐ車が必要な人です。第3世代の搭載時期は未発表なので、「数か月後に必ず出る」と仮定した待機計画は組めません。今の車の車検、タイヤ、修理、安全性を確認し、待てる期限と追加費用の上限を決めます。上限を超えたら現行車へ切り替えるルールがあれば、噂を追って延命費用だけが増える失敗を防げます。
| 優先条件 | 候補 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 5人乗りSUV・第3世代 | キックスP16 | 幅1,800mm、タイヤ、2WD/e-4ORCE |
| 多人数・大荷物 | 新型エルグランド | 総額、駐車、後席試乗 |
| 小回り・予算 | 現行ノート/オーラ | 第2世代の実車満足度 |
| 現在車に余裕 | 期限付きで待つ | 車検、修理上限、公式発表 |
| 新技術だけが目的 | 用途から再検討 | サイズと総額 |
契約前に確認する順番
- 車庫の幅・高さ・長さ、道路幅、家族の乗降を実車で確認する。
- XとGを同じ用品、税・諸費用、支払方法で見積もる。
- WLTC値と自分の走行距離から燃料費を計算し、保守的な燃費例も持つ。
- 納期、注文後の仕様変更、キャンセル条件、下取り査定期限を書面で確認する。
- 保証期間、e-POWER関連の対象部品、整備拠点、代車条件を確認する。
納車前にはグレード、色、メーカーオプション、販売店用品を注文書と最終見積りで照合します。登録後に選び直しにくい装備を先に確認し、後付けできる用品は優先順位を下げられます。月額表示のローンは頭金、回数、金利、最終回支払、総支払額を見ます。予算超過なら必要装備を残して用品を減らす、グレードを戻す、契約を急がず再見積りする順で回復します。
買い方で迷ったときの対策
| 失敗 | 対策 | 回復策 |
|---|---|---|
| ノート・オーラもすぐ第3世代になると断定 | 車種別の国内公式発表を確認 | 未発表なら現行車と必要時期へ判断を戻す |
| 海外数値を国内車へ流用 | 市場、車種、認証モードを区別 | 公開済みの国内主要諸元へ戻って確認 |
| 新世代なら故障しないと思う | 保証、整備、初期供給を確認 | 保証範囲と代替交通を準備 |
| 待ち続けて旧車の修理費が増える | 待機費用と期限を設定 | 費用上限を超えたら現行車も再検討 |
| 発表だけで試乗せず予約 | 正式仕様、見積り、実車確認を待つ | 契約前ならグレード・車種を再選定 |
公式リンクと情報確認日
- 日産 第3世代e-POWER技術ページ
- 日産 第3世代e-POWER専用エンジン開発ストーリー
- 日産:新型エルグランド発売発表(2026年7月16日)
- 日産 オーラ 第2世代e-POWER
- 日産 新型エルグランド 第3世代e-POWER
- 日産 新型エルグランド 価格・グレード
- 日産公式FAQ:世代別の搭載車
- 日産:新型キックス発売発表(2026年6月17日)
- 日産:キックス国内主要諸元PDF
- 日産:エルグランド国内主要諸元PDF
情報確認日:2026年10月25日。搭載車種の世代は日産FAQ(2026年7月27日更新)、技術説明は2026年9月更新版、価格・燃費は国内現行資料と照合しました。契約時は各車の公式ページと最新見積書を再確認してください。