EV充電代を1か月分調べる方法|家の電気明細と公共充電の履歴を整理
EVに乗り始めてから電気代が増えた。でも、家の請求書だけでは、車の充電にいくら使ったのか分からない。外出先の充電は別のアプリやカードで払い、月末になると合計も曖昧になってしまうことがあります。
自宅で買った電気、公共充電の利用料、月額会費などの固定費を分けて一か月分記録すると、次に見直す場所が見えてきます。充電単価が一番安い会社を探す前に、まず自分がどこで何に払っているかを確かめてみましょう。
確認日:2026年10月24日。この記事は日本の家庭で充電代を集計するための手順です。金額の例は仮定を置いた計算で、現行料金表や実測の所有コストではありません。
家全体の請求増を、そのままEVの充電代にしない
昨年より電気代が3,000円増えたとしても、3,000円すべてがEVの分とは限りません。気温や在宅時間、エアコン、給湯、電気の単価なども変わるからです。前年同月との比較は変化を知る手がかりになりますが、車だけの使用量を測った記録とは分けて扱います。
最初に電力会社の明細を開き、使用期間、使用量kWh、契約プラン、料金の内訳を確かめます。東北電力の請求内訳の案内でも、計量した使用量と、基本料金・電力量料金・燃料費調整額などを分けて説明しています。契約や事業者によって表示位置や項目は異なります。

会員ページを使える場合は、充電した時間帯の使用量も参考になります。東京電力の「くらしTEPCO web」は、最大過去2年分の料金・使用量、週別・日別のグラフ、時間別使用量を案内しています。ただし、プランによって一部機能が制限されます。また時間別グラフにも、同時に使っていた家電の分が含まれます。
出典:東京電力「くらしTEPCO webでできること」、東北電力「電気料金請求内訳書の見方」。
自宅充電の記録は「どこで測ったkWhか」をそろえる
充電器やアプリに供給電力量が表示されるなら、日時と量を保存します。その際、設備から供給した量なのか、車の電池に蓄えられた量なのか、表示項目の説明も確認してください。充電には損失があるため、両方は必ずしも一致しません。
車のバッテリー残量の増加率だけから、正確な買電量を計算したことにはできません。電池の使える容量、表示の丸め、温度調整、充電中の消費などが関わるためです。専用の計量がない場合は、「車だけの買電量は未計測」「走行距離などからの概算」と書き分けた方が、翌月にも使える記録になります。
| 記録 | そろえる理由 |
|---|---|
| 開始・終了日時 | 明細の期間や、時間帯別料金と照合するため |
| 電力量と表示元 | 設備の供給量と車の電池側の量を混ぜないため |
| 概算か計測か | 前年との差や残量%からの推計を、専用計測と区別するため |
| 契約プランと対象月 | 料金改定や調整額の違いを見落とさないため |
| 走行距離 | 月額が増えた理由を、単価と走った量に分けて考えるため |
距離から概算するときは、電費の定義を先に確認する
次の図では、電池から使う電気を15kWh/100kmまたは20kWh/100km、充電効率を90%と仮定しています。これは計算を説明するための設定で、特定の車の性能でも、すべての家庭で成り立つ効率でもありません。

電池側で15kWh/100kmを使い、月600km走るなら、走行に使う電気は90kWh。効率90%と仮定した補給の買電量は90÷0.9=100kWhです。さらに買電単価を仮に税込35円/kWhと置けば、使用量に応じた部分は3,500円になります。35円は現行の料金を引用したものではありません。
ここで気をつけたいのが、使う電費の基準です。カタログ等の交流電力量消費率のように、すでに充電に要する電力量を含む数値を使う場合、さらに同じ充電損失を足すと二重計算になります。車載表示の電費なのか、充電設備側の計測なのか、メーカーの測定条件を確認してから計算しましょう。
実際の自宅分は、使った時間帯や電力量に対応する自分の契約単価、燃料費等の調整、賦課金、税の扱いを確認して見積もります。段階料金がある契約では、家全体の請求総額をkWhで割った平均単価と、追加充電の分にかかる単価が一致するとは限りません。
公共充電は、時間・電力量・会費を別の欄へ
外出先は、自宅と同じ「kWh×単価」の料金とは限りません。時間に応じて払う場合、電力量に応じて払う場合、月額会費がある場合などがあります。e-Mobility Powerも、月額料金と都度利用料の合計、kWh課金を導入しているスポットの確認方法を案内しています。充電器を見ただけで、手持ちのカードの請求額までは判断できません。

記録するのは、利用日時、場所、認証に使ったカードやアプリ、請求方式、請求額です。履歴に充電時間や供給kWhも表示されるなら一緒に保存します。駐車料金や終了後の追加料金があれば、充電利用料とは別の欄に残しましょう。
アプリの画面とクレジットカードの明細に同じ利用が載っても、二回分ではありません。アプリは利用の内訳、カード明細は引き落としの確認として照合し、重複して足さないようにします。月末の利用が翌月請求になる場合も、利用月と支払月を二つの列に分ければ迷いにくくなります。
e-Mobility Powerは2026年9月29日にアプリを刷新し、決済情報を登録するビジタープランなどを案内しました。ただし、他社カード利用の履歴まで一つのアプリへ自動的に集まるとは限りません。自分が契約・認証したサービスごとの明細を確認してください。出典:e-Mobility Powerのドライバー向け料金案内、アプリ刷新の発表(2026年9月29日)。
月末は、走行距離と一緒に四つを合計する
集計は「自宅充電の電気代」「公共充電の都度利用料」「充電サービスの月額会費」「充電に伴う駐車料など」に分けます。自宅分が概算なら、そのことを合計にも残してください。工事代や充電器の購入費を含める場合は、月々の使用料と混ぜず、初期費用として別にまとめます。
仮の集計例を考えてみましょう。自宅分の概算3,500円、公共充電の明細合計1,800円、会費1,000円、充電のために払った駐車料400円なら、合計は6,700円です。月600kmなら約11.2円/km。ただし、これは上の仮定を組み合わせた例で、事業者の料金表ではありません。日常の買い物のため元から払う駐車料まで全額含めるかは、記録の目的に応じて区別します。
購入前の試算に使うなら、家族の使い方に近い距離で概算し、購入後に実際の記録へ置き換えていきましょう。一度の旅行があった月を、そのまま年間の毎月平均にしないことも大切です。
見直す順番は、金額が大きい項目から
会費が大きいなら、公共充電を使った回数と、実際に使う場所での会員・ビジター条件を比べます。自宅分が増えたなら、走行距離が増えたのか、充電時間帯や単価が変わったのかを確かめます。安い時間帯に予約を変える場合も、契約プランの時間区分を先に確認してください。
家全体の電力プランを変更するときは、EVの分だけでなく、昼間の家電や給湯を含めた請求総額で比較します。「夜の充電が安い」という一項目だけでは、家計全体が安くなるとは限りません。
まず一か月、無理なく続けられる欄だけ記録してみてください。どこで使い、何に払ったかが分かれば、充電のたびに安さを探し回るのではなく、暮らしに合う充電場所と契約を選びやすくなります。