シトロエン2CV Conceptは前席も持ち出せる|1万5000ユーロを目指す小型EVの工夫
公園に着いたら、車の前席を外してピクニックのベンチにする。シトロエンの「2 CV Concept」は、そんな使い方を提案する小型EVです。取り外せる収納かごとラジオも備え、車を降りてからの休憩まで考えています。丸いヘッドライトに懐かしさを感じるだけで終わらないのが、この車の面白いところです。
手頃なEVを選ぶとき、「何の装備を我慢するか」に目が向きがちです。2 CV Conceptが示すのは、車内の道具を外でも使う、傷めた部品を交換しやすくする、よく使う操作は手で触れる部品に残すという工夫。高価な装備を積み重ねる以外に、使い勝手をよくする方法を探しています。
発表は2026年10月11日。将来の欧州生産モデルで開始価格約1万5000ユーロを目指していますが、今の車両は販売対象ではないコンセプトです。価格も装備も量産車として確定していません。国際公式発表に沿って、日常で役立ちそうな工夫と、市販版で確かめたい点を分けて見ていきます。

車を停めたら、前席とかごを外へ持ち出す
2 CV Conceptの前席は、左右の乗員が並んで座るベンチです。シトロエンは、この前席を取り出して、たとえばピクニックの休憩に使う提案を説明しています。車内の椅子が、目的地では屋外の椅子にもなるわけです。
たとえば二人で昼食を持って出かける日。かごへ飲み物や食器をまとめ、駐車したらそのまま休憩場所へ運ぶ。前席をベンチとして使えれば、別の椅子を積む荷物も減らせそうです。これは公表された機構から考えた利用例で、実際に脱着して試した結果ではありません。座席の重さや工具の要否、取り付け確認の手順は公表資料では分からず、「一人ですぐ外せる」とまではいえません。
中央の収納も、固定された箱ではなく、取り外せるかごになっています。駐車した車から休憩場所まで持ち物を運ぶとき、収納したかごごと運べるという考え方です。荷物を一度別の袋へ移す手間を省く使い方が想像できます。何をどれだけ入れられるかという容量や耐荷重まで、公表されているわけではありません。
室内の公式画像には前後のベンチが写っていますが、取り外しが説明されているのは前席です。後席も同じように外せると読み替えることはできません。また、画像は前席を車外に設置した実演ではなく、コンセプトの室内を示しています。
頭上には、手で巻き上げる布屋根も提案されています。屋根を開ける、かごを持って降りる、前席を休憩に使う。駐車後も車の道具を使う一連の行動が、この室内を面白くしています。使い勝手の説明は、公式の詳細資料に掲載されています。

バンパーは、傷めた部分を交換することまで考える
正面の画像で見ておきたいのは、車体の前へ張り出した横長のバンパーです。シトロエンは、バンパーを車体と分け、独立して交換できるようにする設計を説明しています。形を簡素にすることとあわせて、造りやすさや修理のしやすさも狙っています。
車を使う人にとって、購入価格と同じように気になるのが、傷めたときの負担です。たとえば駐車中に端をこすった場合、その部分を部品として交換しやすい構造なら、車体の大きな範囲へ作業を広げずに済む可能性があります。2 CV Conceptの別体バンパーは、どこを傷め、どの部分を直すのかを考えさせる提案です。
ただし、これを「軽くぶつけてもバンパーだけ直せばよい」と受け取ることはできません。衝突の方向や強さによって、見えていない部位も損傷する可能性があります。部品価格、交換工賃、保険料、衝突試験の結果は、今回の資料では示されていません。安い修理代を実証した車として紹介する段階ではありません。
市販版を見るときは、バンパーが別体かどうかと一緒に、交換部品の価格、センサーを含む作業、修理後の調整まで尋ねたいところです。購入時の価格が安くても、軽い接触のたびに大きな費用がかかれば、日々の気軽さは変わります。別体バンパーは、その負担を考えるきっかけになる提案です。

8型の画面にも、温度・音量・送風量の操作部を残す
運転席には正方形の8型タッチ画面があります。そのまわりに用意するのが、室内温度、音量、送風量を調整する3つの物理操作部です。日々繰り返す調整に、手で触れる操作部を割り当てています。
暑くなったので風を強めたい、会話のために音量を下げたい。こうした場面で、どの操作を手元の部品へ残すかは、車を使い始めてから何度も関わる点です。2 CV Conceptは、8型の画面を設けながら、温度・音量・送風という具体的な調整を分ける提案になっています。画面の大きさだけでは分からない部分です。
操作のしやすさや安全性は、実車で評価した結果ではありません。
画像の右側に見える「Radioën」は、取り外し式のラジオ兼スピーカーです。車外でも使うことを想定しており、かごや前席と同じく、休憩先へ道具を持ち出す発想が続いています。車載オーディオをどこまで高機能にするかに加え、車を降りた後にも使えるかを考えているのが、このコンセプトならではのところです。画面・物理操作部・Radioënの公式説明

約1tと1万5000ユーロは目標。買える車の条件はこれから決まる
この工夫を載せる2 CV Conceptの全長は3.76m。シトロエンは、約1tを目指す軽量化によって、電池の大きさやコストを抑える考え方も説明しています。小さな車体に必要な装備を整理し、日常の移動に合わせた小型EVを目指すというものです。
将来モデルはAmiとC3の間に位置づけ、欧州生産を想定。2028年までに登場を目指し、開始価格は約1万5000ユーロを狙っています。この金額は、特定の国で税・補助金・装備条件をそろえた確定価格ではありません。日本向けの価格へ円換算して紹介したり、そのまま支払えば買えると考えたりすることはできません。
| 項目 | 2026年10月24日に再確認した内容 | 読むときの条件 |
|---|---|---|
| 今回の車両 | 2 CV Concept | 販売対象ではない未認証のコンセプト |
| 発表 | 国際発表は2026年10月11日 | パリでの一般公開は10月12〜18日 |
| 全長 | 3.76m | コンセプトの寸法。市販車の確定諸元ではない |
| 重量 | 約1tを目指す | 実測重量や認証済みの市販車重量ではない |
| 将来モデルの時期 | 2028年までに登場を目指す | 受注・発売・納車の確定日ではない |
| 開始価格 | 約1万5000ユーロを目標 | 国別の税・補助金・装備条件を示す価格表ではない |
| 生産 | 欧州生産を想定 | 日本仕様・導入時期・価格は参照資料で確認できない |
現コンセプトは型式認証を終えた販売車ではなく、前席やラジオを含めて、どの装備が量産車へ残るかも確定していません。電池容量、認証された航続距離・電費、AC/DC充電の出力や時間、車種固有の保証も、今回確認した資料からは分かりません。そのため、通勤後に何時間充電するか、数年保有した場合にいくらかかるかを、この車の数値として計算する段階ではありません。
2 CV Conceptでいちばん気になるのは、価格だけではありません。椅子やかごを持ち出すまでに何分かかるか、荷物が多い日も無理なく扱えるか、傷めた部品をいくらで直せるか。量産版でこの三つが分かれば、かわいい外観への興味を「自分が使いたい車か」という判断へ進められます。いまは、その暮らし方を提案するコンセプトとして楽しみたい一台です。
公式資料と確認日
確認日:2026年10月24日。国際発表は10月11日、詳細資料は10月12日です。この記事はコンセプトの装備解説で、発売・受注開始や試乗、脱着・修理の実測を伝えるものではありません。